業績分析(通期)

連結業績

売上高

  • 2024年度の売上高は、全報告セグメントで増収となり、前期比4,603億円(7.6%)増の6兆5,443億円となりました。ディストリビューション事業は法人向けICT(情報通信技術)関連商材および継続収入商材の堅調な増加、AI計算基盤に係るセグメント間取引の影響などにより2,429億円※1、コンシューマ事業は物販等売上およびモバイル売上の増加などにより1,303億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより885億円、メディア・EC事業はメディア売上およびコマース売上の増加などにより640億円、ファイナンス事業はPayPay株式会社およびPayPayカード株式会社が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加などにより445億円、それぞれ増収となりました。

[注]
  1. ※1
    AI計算基盤に係るセグメント間取引の影響を除く売上高の増加分は1,621億円です。

営業利益

  • 2024年度の営業利益は、全報告セグメントで増益となり、前期比1,129億円(12.9%)増の9,890億円となりました。メディア・EC事業がLINEヤフーグループ(LINEヤフー株式会社および子会社)において子会社の支配喪失に伴う利益を計上したことや広告売上が増加したことなどにより693億円の増益となったほか、ファイナンス事業が382億円、コンシューマ事業が352億円、ディストリビューション事業が42億円、エンタープライズ事業が34億円、それぞれ増益となりました。なお、PayPay株式会社およびPayPayカード株式会社が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加に伴い、2024年度のファイナンス事業のセグメント利益は黒字に転じています。

親会社の所有者に帰属する純利益

  • 2024年度の親会社の所有者に帰属する純利益は、前期比371億円(7.6%)増の5,261億円となりました。これは主として、保有する投資有価証券の評価損の計上、LINEヤフーグループが保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率の変動に伴う持分変動利益の剥落、持分法適用関連会社を対象とするプットオプションの評価損の計上があった一方、前述した営業利益の大幅増加によるものです。なお、非支配持分に帰属する純利益は、主としてLINEヤフーグループの純利益が増加したことに伴い、前期比280億円(27.6%)増の1,292億円となりました。

調整後
フリー・キャッシュ・フロー

  • 2024年度のプライマリー・フリー・キャッシュ・フローは6,033億円の収入となり、前期比では43億円の収入の減少となりました。これは主として、2024年度第2四半期連結会計期間にAホールディングス株式会社が実施した、LINEヤフー株式会社株式の売却に伴う手取金にかかる当社への配当金があった一方で、割賦債権の流動化による収入が減少したことによるものです。営業活動によるキャッシュ・フローは1兆3,679億円の収入となり、前期比では1,282億円収入が増加となりました。これは主として、EBITDAが増加したことに加えて、法人所得税の支出の減少や還付の増加があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは9,952億円の支出となり、前期比では676億円支出が増加となりました。これは主として、2023年度においてCubic Telecom Ltd.の子会社化に伴う株式の取得があり、2024年度では通信事業関連の支出が減少しましたが、シャープ株式会社の堺工場の土地建物の取得やAI計算基盤等への成長投資がそれらを上回ったことによるものです。なお、この投資活動によるキャッシュ・フローには、長期性の成長投資に係る支出1,669億円が含まれています。

[注]
  1. ※2
    調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)-LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー+Aホールディングス株式会社からの受取配当、PayPay証券株式会社への出資など。なお、LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス株式会社、LINEヤフー株式会社および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス株式会社、PayPay株式会社、PayPayカード株式会社、PayPay証券株式会社などを含みます。
  2. ※3
    プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)に、長期性の成長投資として支出した金額を足し戻した指標です。なお、長期性の成長投資はAI計算基盤・AIデータセンター関連投資、Cubic Telecom Ltd.への出資を含みます。

セグメント別業績

セグメント別業績

コンシューマ事業※4

  • 売上高

  • セグメント利益

コンシューマ事業の売上高は、前期比1,303億円(4.6%)増の2兆9,529億円となりました。モバイルは前期比526億円(3.5%)増加しました。これは主として、売上から控除している顧客獲得施策の影響が減少したこと、およびスマートフォン契約数が「ワイモバイル」ブランドを中心に伸びたことによるものです。なお、通信料の年度平均単価は、2023年度には120円低下したものの、2024年度は前期比で横ばいとなりました。これは主として、低価格の「ワイモバイル」ブランドのユーザー数の増加による下落影響を、2023年10月に導入した新料金プランの浸透により吸収したことによるものです。ブロードバンドは前期比49億円(1.2%)増加しました。これは主として、光回線サービス「SoftBank 光」契約数※5が増加したことによるものです。でんきは前期比57億円(2.2%)減少しました。これは主として、「おうちでんき」契約数が減少したことによるものです。物販等売上の増加は、主として、販売端末の平均単価が増加したことによるものです。

営業費用※6は2兆4,224億円となり、前期比で950億円(4.1%)増加しました。これは主として、スマートフォンなどの仕入原価および販売促進費が増加したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比352億円(7.1%)増の5,304億円となりました。

[注]
  1. ※4
    2024年度Q1より、「コンシューマ事業」に区分されていた一部の子会社を「その他」に移管しました。これに伴い、2023年度の「コンシューマ事業」および同社が含まれていた「ブロードバンド」の数値について遡及修正しています。
  2. ※5
    「SoftBank Air」契約数を含みます。
  3. ※6
    営業費用には、売上原価、販売費および一般管理費、その他の営業収益、その他の営業費用を含みます。

エンタープライズ事業※7

  • 売上高

  • セグメント利益

エンタープライズ事業の売上高は、前期比885億円(10.6%)増の9,224億円となりました。そのうち、モバイルは前期比13億円(0.4%)増の3,159億円、固定は前期比44億円(2.6%)減の1,693億円、ソリューション等は前期比916億円(26.5%)増の4,372億円となりました。モバイル売上の増加は、主として、契約者数の増加に伴い通信売上が増加したことによるものです。固定売上の減少は、主として、電話サービスの契約数が減少したことによるものです。ソリューション等売上の増加は、WeWork Japan合同会社の事業を承継したことに加え、企業のデジタル化需要をとらえ、クラウドサービス、セキュリティソリューション、IoTソリューションなどの売上が増加したこと、およびCubic Telecom Ltd.の子会社化の影響などによるものです。

営業費用は7,521億円となり、前期比で850億円(12.7%)増加しました。これは主として、前述のWeWork Japan合同会社の事業承継やCubic Telecom Ltd.の子会社化による影響、上記ソリューション等売上の増加に伴う原価の増加、2023年度に計上した訴訟に係る引当金の戻入の剥落によるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比34億円(2.1%)増の1,703億円となりました。

[注]
  1. ※7
    2024年度Q1より、「その他」に区分されていたSBテクノロジー株式会社およびサイバートラスト株式会社等を「エンタープライズ事業」に移管しました。また、2024年度Q1より事業の管理区分を見直し、「モバイル」および「固定」における一部商材を「ソリューション等」へ移管しました。これらに伴い、2023年度の「エンタープライズ事業」の数値および売上高の内訳すべてを遡及修正しています。

ディストリビューション事業

  • 売上高

  • セグメント利益

ディストリビューション事業の売上高は、前期比2,429億円(37.6%)増の8,895億円となりました。これは主として、法人向けのICT関連の商材や注力しているクラウドやSaaSなどの継続収入商材の堅調な伸長、AI計算基盤に係るセグメント間取引※8の影響、およびサポートが終了するWindows 10からの移行に伴うPC売上の増加によるものです。

営業費用は8,591億円となり、前期比で2,387億円(38.5%)増加しました。これは主として、売上高の増加に伴い売上原価が増加したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比42億円(16.0%)増の304億円となりました。

[注]
  1. ※8
    SB C&S株式会社が、NVIDIAから仕入れたAI計算基盤をソフトバンク株式会社へ売却したことに伴う、「その他」への売上高です。

メディア・EC事業

  • 売上高※9

  • セグメント利益

メディア・EC事業の売上高は、前期比640億円(4.0%)増の1兆6,781億円となりました。そのうち、メディアは前期比295億円(4.2%)増の7,239億円、コマースは前期比209億円(2.5%)増の8,461億円、戦略は前期比127億円(14.5%)増の1,003億円、その他は前期比8億円(12.1%)増の77億円となりました。メディア売上の増加は、主として、アカウント広告の増収によるものです。コマース売上の増加は、主として、ZOZOグループ(株式会社ZOZOおよび子会社)やアスクルグループ(アスクル株式会社および子会社)における取扱高が増加したことや、トラベル・飲食予約などを扱うサービスEC事業が好調に推移したことによるものです。戦略売上の増加は、主として、PayPay銀行株式会社等のFinTech領域の売上が増加したことによるものです。

営業費用は1兆4,108億円となり、前期比で54億円(0.4%)減少しました。これは主として、販売促進費の増加、セキュリティ対策費用の増加および売上高の増加に伴う売上原価等の増加があった一方、IPX Corporation、LINE NEXT Corporation、バリューコマース株式会社のそれぞれにつき子会社の支配喪失に伴う利益の計上、LINEヤフー株式会社等で減損損失が減少したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比693億円(35.0%)増の2,673億円となりました。

[注]
  1. ※9
    2024年度Q3において、LINEヤフーグループでは、事業の管理区分を見直し、「メディア」に区分されていた一部のサービスを「コマース」に移管しました。これに伴い、2023年度の「メディア・EC事業」の売上高のうち、「メディア」および「コマース」内訳を遡及修正しています。

ファイナンス事業

  • 売上高

  • セグメント利益

ファイナンス事業の売上高は、前期比445億円(19.1%)増の2,773億円となりました。これは主として、PayPay株式会社およびPayPayカード株式会社が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高が増加したことによるものです。

営業費用は2,441億円となり、前期比で63億円(2.7%)増加しました。これは主として、固定費の最適化に伴う費用抑制があった一方で、前述の通りPayPay株式会社およびPayPayカード株式会社が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加により、ポイント還元などに係る販売促進費が増加したことによるものです。

上記の結果、セグメント利益は、前期比382億円増の332億円となり、黒字化しました。

関連コンテンツ

ハイライト(通期)

当社の業績・財務ハイライトを数字とグラフでご確認いただけます。

説明会資料

決算説明会などの資料および動画をご確認いただけます。

決算短信

決算短信をご確認いただけます。