中期的な成長と、
株主還元の両方を重視します。

ソフトバンクの強み

日本における圧倒的な事業基盤

ソフトバンク株式会社グループは、モバイルサービスやブロードバンドサービスに加え、国内最大級のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」、国内最大級のキャッシュレス決済サービス「PayPay」、国内最大級のコミュニケーションサービス「LINE」を運営しています。通信、eコマース、決済、SNSといった多様な分野で、国内最大級のユーザー基盤を有することは、ビジネスを行う上で大きな強みとなっています。さらに当社は、通信事業で培った営業力や技術力、全国に張り巡らせた通信ネットワーク、店舗網など、強力な事業基盤を多数有しています。当社グループが持つこれらの強みは、デジタル化が加速する社会において、さらに重要度を増していくと考えられます。

ユーザー基盤※1 ・携帯電話サービスの約4,100万ユーザー
・「Yahoo! JAPAN」の約8,300万ユーザー
・「PayPay」の約6,800万ユーザー
・「LINE」の約9,800万ユーザー
営業力※2 ・グループ営業数:約15,000人
・ソフトバンク・ワイモバイルショップ数:約6,400店舗
・国内の大企業の約92%と取引
技術力※3 ・グループエンジニア数:約14,000人

ソフトバンクグループ内での協働

ソフトバンクグループ(ソフトバンクグループ株式会社および同社の子会社)の一員である当社は、親会社などの投資先である世界的ユニコーン企業との協働により、初期投資を抑えながら、最先端のテクノロジーやビジネスモデルを導入することが可能です。
中でも、キャッシュレス決済サービス「PayPay」は、ソフトバンクグループ内での協働によって生まれた代表的なビジネスです。当社とヤフー株式会社が共同で立ち上げ、親会社が出資するファンドの投資先である世界的なキャッシュレス決済事業者Paytm社からの技術支援を受けて2018年にサービスを開始した「PayPay」は現在、日本のスマートフォンユーザーの約3分の2が利用する決済サービス※4として圧倒的なポジションを確立しています。

強固なキャッシュ・フロー創出能力

当社は事業の成長に伴い、潤沢なキャッシュ・フローを創出してきました。当社のプライマリー・フリー・キャッシュ・フロー※5は、LINEヤフー株式会社、PayPay株式会社などの創出分を除いても、継続して6,000億円水準を維持しています。これにより、将来の成長のための投資と株主の皆さまへの還元を行うことが可能となっています。

プライマリー・フリー・キャッシュ・フロー

成長戦略

Beyondビヨンド Carrierキャリア」戦略

当社グループは、2017年度より「Beyond Carrier」を成長戦略と定めています。これは、コアビジネスである通信事業の持続的な成長を図りながら、通信キャリアの枠を超え、情報・テクノロジー領域のさまざまな分野で積極的にグループの事業を拡大することで、企業価値の最大化を目指すものです。また、通信事業とそれらのグループ事業との連携を強化することを通じて、通信事業の競争力を強化するとともに、グループ事業のサービス利用者数の拡大やユーザーエンゲージメントの向上などのシナジーの創出を推進します。

Beyond Carrier
経営方針・戦略

業績

2024年度 連結業績

2023年度 2024年度 増減額
(前年比)
増減率
(前年比)
売上高 6兆840億円 6兆5,443億円 +4,603億円 +8%
調整後EBITDA※7 1兆6,677億円 1兆7,531億円 +855億円 +5%
営業利益 8,761億円 9,890億円 +1,129億円 +13%
純利益※8 4,891億円 5,261億円 +371億円 +8%

2024年度の売上高は、全報告セグメントで増収となり、前期比4,603億円(7.6%)増の6兆5,443億円となりました。ディストリビューション事業は法人向けICT(情報通信技術)関連商材および継続収入商材の堅調な増加、AI計算基盤に係るセグメント間取引の影響などにより2,429億円、コンシューマ事業は物販等売上およびモバイル売上の増加などにより1,303億円、エンタープライズ事業はデジタル化に伴うソリューション需要の増加などにより885億円、メディア・EC事業はコマース売上メディア売上の増加により640億円、ファイナンス事業はPayPay株式会社およびPayPayカード株式会社が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加などにより445億円、それぞれ増収となりました。
2024年度の営業利益は、前期比1,129億円(12.9%)増の9,890億円となりました。メディア・EC事業がLINEヤフーグループにおいて子会社の支配喪失に伴う利益を計上したことや広告売上が増加したことなどにより693億円の増益となったほか、ファイナンス事業が382億円、コンシューマ事業が352億円、ディストリビューション事業が42億円、エンタープライズ事業が34億円、それぞれ増益となりました。なお、PayPay株式会社およびPayPayカード株式会社が展開するQRコード決済やクレジットカードの決済取扱高の増加に伴い、当期のファイナンス事業のセグメント利益は黒字に転じています。
2024年度の純利益※8は、前期比371億円(7.6%)増の5,261億円となりました。これは主として、保有する投資有価証券の評価損の計上、LINEヤフーグループが保有するWebtoon Entertainment Inc.に対する持分比率の変動に伴う持分変動利益の剥落、持分法適用関連会社を対象とするプットオプションの評価損の計上があった一方、前述した営業利益の大幅増加によるものです。なお、非支配持分に帰属する純利益は、主としてLINEヤフーグループの純利益が増加したことに伴い、前期比280億円(27.6%)増の1,292億円となりました。

財務目標

2024年度
実績
2025年度
予想
増減額
(前年比)
増減率
(前年比)
売上高 6兆5,443億円 6兆7,000億円 +1,557億円 +2%
営業利益 9,890億円 1兆円 +110億円 +1%
純利益※8 5,261億円 5,400億円 +139億円 +3%
(参考)
調整後EBITDA※7
1兆7,531億円 1兆7,700億円 +169億円 +1%

現行の中期経営計画の最終年度となる2025年度の連結業績予想は、前期に引き続き増収増益を見込んでいます。また、好調な業績を背景として、2023年5月に発表した連結業績予想から、売上高は2,000億円、営業利益は300億円、親会社の所有者に帰属する純利益は50億円上方修正しています。営業利益においては、コンシューマ事業、メディア・EC事業およびファイナンス事業を中心に全報告セグメントで増益を見込むなか、現行の中期経営計画の達成と、2027年3月期以降の次期中期経営計画期間における事業成長のための生成AIなどへの成長投資を両立していく方針です。

財務情報ハイライト 業績予想

株主還元

中長期的な成長と株主還元の両方を重視

当社は、中長期的に企業価値を高めるとともに、株主の皆さまに利益を還元していくことを重要な経営課題の一つとして位置付けています。当社は企業価値の向上のために、5Gのさらなる高度化のための設備投資を効率的に行うことに加え、AI計算基盤の構築を含む新規事業への投資にも継続して取り組んでいきます。配当は、中間配当および期末配当の年2回を基本方針とし、業績動向、財政状態、キャッシュ・フローの状況などを総合的に勘案して安定性、継続性に配慮しながら実施していきます。
2025年度の普通株式1株当たり配当金については、年間8.6円(うち中間配当金4.3円、期末配当金4.3円)を予定しています。また、第1回社債型種類株式および第2回社債型種類株式については所定の金額の配当を実施していきます。

株主還元

株主優待

当社は、株主の皆さまに当社関連サービスを利用いただくことで、当社グループの事業に対する理解をより一層深めていただきたいと考えています。この目的のため、株主優待として、対象となる株主さまに対しPayPayマネーライト(1,000円分)を進呈します。

株主還元・配当

[注]

※1携帯電話サービス:主要回線累計契約数(2025年3月末時点)、「Yahoo! JAPAN」:月間利用者数(2024年1月~10月の月平均利用者数)、「PayPay」:登録ユーザー数(2025年3月末時点)、「LINE」:月間アクティブユーザー数(MAU)(日本)(2025年3月時点)

※2グループ営業数:当社の営業社員(2025年3月時点)、国内の大企業:売上高1,000億円以上の上場企業のうち、2024年度に当社と取引を行った企業の割合

※3グループエンジニア数:ソフトバンク株式会社、LINEヤフー株式会社、PayPay株式会社、株式会社ZOZO、SBテクノロジー株式会社などのエンジニア社員の合計(2025年4月1日時点)

※4出所:2025年3月31日のプレスリリース(PayPay株式会社)

※5プライマリー・フリー・キャッシュ・フローは、調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)※6に、長期性の成長投資として支出した金額を足し戻した指標。なお、長期性の成長投資はAI計算基盤への投資を含む。

※6調整後フリー・キャッシュ・フロー(LINEヤフーグループ、PayPay等除く)=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー+(割賦債権の流動化による調達額-同返済額)-LINEヤフーグループ、PayPay等のフリー・キャッシュ・フロー+Aホールディングス株式会社からの受取配当、PayPay証券株式会社への出資など。なお、LINEヤフーグループ、PayPay等にはAホールディングス株式会社、LINEヤフー株式会社および子会社(LINEヤフーグループ)、Bホールディングス株式会社、PayPay株式会社、PayPayカード株式会社、PayPay証券株式会社などを含む。

※7調整後EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費(固定資産除却損含む)+株式報酬費用±その他の調整項目

※8純利益:親会社の所有者に帰属する純利益(ソフトバンク株式会社の株主に帰属する純利益)